景気先行型の経済指標

今後の景気動向を占ううえで重要な経済指標をまとめています。経済指標には、財新の中国工業購買担当者景気指数、鉱工業生産指数、マークイットおよびISM景況感指数(製造業PMIと非製造業PMI)、米国雇用統計を含みます。

財新の中国工業購買担当者景気指数(PMI)

中国メディアの財新(Caixin)と英金融情報会社マークイットが共同で発表する購買担当者景気指数(Purchasing Managers’ Index)です。毎月月初に発表されることから、景気の動向を判断する先行指標として活用されています。50が景気が上向きか下向きかを判断する基準数値となり、50を超えれば景気拡大、下回れば景気減退を意味しています。中国国家統計局が発表するPMIよりも中小企業や輸出企業比率が高いことも特徴です。

2022年9月
48.1と、予測49.5や基準となる50を下回り、景況感の悪化トレンドが続きます。

2022年8月
電力不足などもあり、49.5と予想50.2を下回りました。

2022年6月
規制の緩和を受け、50.2と50を超えました。

2022年5月
新型コロナウイルス規制が緩和され、生産が一部再開したことを受けたことを受け、48.1と、26カ月ぶりの低水準だった前月の46.0から上昇しました。

2022年4月
中国製造業購買担当者景気指数は46.0で、前月の48.1からさらに低下しました。コロナ対策の強化が事業活動やサプライチェーン(供給網)、新規輸出受注指数に影響し、指数が低下しました。

Caixin中国工業購買担当者景気指数
Caixin中国工業購買担当者景気指数

ISM景況感指数(製造業と非製造業)

全米供給管理協会(ISM=Institute for Supply Management)が毎月発表する景気指数です。米国の製造業を中心に受注や生産などのアンケートを実施するISM製造業景況感指数と非製造業(375社以上)を対象にアンケートを実施するISM非製造業景況感指数があります。50%が景気の後退と拡大の判断基準となっています。

2022年9月の製造会社コメント抜粋

  • すべての電子部品のサプライチェーン問題は、生産能力と熟練労働力の不足により供給不足に陥っています。(コンピューター部品)
  • 世界的な景気減速の懸念が高まっており、(当社では)一部の顧客が注文を引き戻している。(化学)
  • ほぼ全てのサプライヤーでリードタイムが伸びている。在庫を持ちたくないというのが本音だろう。(食品)
  • サプライチェーンにはまだストレスがあり、製造工場の稼働率に課題がある。旺盛な需要があり、稼働する必要がある(非金属鉱物製品)

2022年8月の製造会社コメント抜粋

  • 顧客の需要はまだ強いですが、供給制約により製品が手に入らないという潜在的なリスクを回避するためで、在庫は増加しています。(コンピューター部品)
  • 電子部品の不足に引き続き苦慮している。労働力が不足しているため、製造が間に合っていない。(機械)
  • 全体として、原材料の入手はかなり改善されました。しかし、トラック輸送の問題は続いており、一部の原材料の入手は依然厳しい(非金属鉱物製品)
  • 受注は年末まで好調を維持しているが、顧客が注文を取りやめるか、2023年にずれ込むか、撤退し始める気配がある。(プラスチック)
  • サプライチェーンの問題が引き続きリードタイムを大幅に延長しており、科学機器や機械を作るための材料が不足していることが要因となっている。購入は通常のリードタイムに加え、3~6ヶ月前に行う必要がある。(教育サービス)
  • サプライチェーンと労働力が引き続き大きな問題である。補修部品は存在しない。耐久消費財のリードタイムは延長され、安価な大量生産品は壊れる率が高まっている。(ヘルスケア)
  • サプライチェーンの課題は、米国外で作られた製品や部品が含まれており、出荷の遅れなどの問題があるため、購入品の一部に影響があります。(企業支援サービス)
ISM製造業景況感指数

米国製造業購買担当指数・サービス業購買担当者指数(マークイット)

マークイットが発表する製造業購買担当指数やサービス業購買担当者指数は、ISMの発表する同指数よりも多くの企業を含むため、製造業やサービス業の全体の動向をつかむうえで有効です。

製造業PMIとサービス業PMI

米国雇用統計

米国労働省(U.S. Department of Labor Bureau of Labor Statistics)が毎月発表する指標です。雇用統計には、10数項目の統計データが含まれますが、非農業部門雇用者数変化と失業率が、金融政策の決定にも影響を与える先行指標として重視されています。

米国雇用統計
米国雇用統計

消費者信頼感指数(コンファレンスボード)

民間調査会社のコンファレンスボードが月末に発表する指標です。5000世帯に今後の景気のアンケートを実施し、1985年を100として指数化しています。個人消費の先行指数とされます。

消費者信頼感指数(コンファレンスボード)

鉱工業生産指数(米国)

米連邦準備理事会(FRB)が毎月14日頃に発表をする、米国製造業部門の生産動向をインデックス化した指標です。鉱業、公益事業、製造業(耐久財:機械、輸送機器、電気機械と非耐久財:食品、化学)の生産動向や設備投資の状況がわかるため、景況感を判断するタイムリーな指標です。

2022年8月
8月の鉱工業生産指数は前月比0.2%低下しました。電力などのが全体の下げをけん引しました。一方で、事業設備は堅調でした。

2022年7月
7月の鉱工業生産指数は製造業が前月から0.7%上がりました。自動車・部品などが伸びたのが全体を押し上げ、景況感が悪化しているにもかかわらず製造業は底堅い動きでした。

鉱工業生産指数(米国)
鉱工業生産指数(米国)